9月だけで京一系2,400台超が消える 閉店は続くのに売上は増えている謎
正直、気が滅入るニュースが続きます。
同じ日に、複数店の閉店が報じられた
閉店情報を追っているアカウントが、同日に複数の閉店を投稿していました。
報じられている内容を整理すると、こうなります。
| 店舗 | 所在 | 閉店日 | 総台数 |
|---|---|---|---|
| 京一高槻店 | 大阪府高槻市 | 9月23日 | 1,041台 |
| マルチャン鶴ヶ島インター | 埼玉県 | 9月18日 | 386台 |
| B2-ZONE各務原店 | 岐阜県 | 9月6日 | 286台 |
ハッシュタグは「#閉店ラッシュ」。すっかり定着してしまった言葉です。
京一系だけで、2,400台超が消える
そして、ここが重い。
先日、大阪ミナミの「キョーイチミナミ店」が9月23日で閉店し、11月頃にクレーンゲーム店へ転換するという記事を書きました。報じられている規模は1,403台。
今回の高槻店1,041台と合わせると——
同じ9月23日に、同じグループで2,444台が営業を終えます。
これは「店が減った」という話を超えて、グループ単位の撤退に見える規模です。
運営会社について
両店を運営するのは松原興産です。
京都府京都市伏見区に本社を置く総合アミューズメント企業で、京都府・大阪府を中心にパチンコホール「キョーイチ(京一・KYO-ICHI)」「新天地」等をチェーン展開。ボウリング場、カラオケ店、ゲームセンター、飲食店も運営しており、大阪・難波の一等地には大型商業ビル「エスカールなんば」も所有しています。
1979年に京都市伏見区で設立(創業は1966年)という、60年の歴史を持つ会社です。
注目すべきは、もともと多角経営の会社だという点。 ゲームセンターも運営しており、クレーンゲーム店への転換はまったくの新規参入ではありません。
つまりこれは、破綻ではなく事業ポートフォリオの組み替えと見るのが自然です。
現場は、かなり前から厳しかった
興味深い記録が残っていました。
京一高槻店について、2023年12月に書かれた口コミです。
廃墟としか言いようがない。平日の昼間12時過ぎても、スロを打っている人が全体で10人もいない。300台以上あるのに。だだっ広い店内、誰もいない島で一人で打つと、パラレルワールドに迷い込んだかのような錯覚さえ覚える。もちろんベタピン据え置き。新台はマメにまとまった数入っているが、初日も島で箱を使っている人が1人だけだった。
3年近く前の時点で、すでにこの状態だった。
B2-ZONE各務原店についても、小さなスロット専門店。お客様の大半を周辺のホールに取られているのか、稼働は常に低い状況でした、という記録があります。
今回の閉店は、突然の決定ではありません。 長い時間をかけて進行していた結果が、今、表に出ているだけです。
ここからが本題:売上は増えている
そして、どうにも腑に落ちないのがここです。
これだけ店が消えているのに、業界の総売上は増えています。
先日も扱った帝国データバンクの調査を再掲します。
| 指標 | 2025年の数字 |
|---|---|
| ホール経営法人数 | 1,130社(2016年比54.7%減) |
| 総売上高 | 12兆433億円(前年比2.8%増、2年連続増加) |
| 12兆円超え | 2020年以来5年ぶり |
会社の数は半分になり、売上は5年ぶりの高水準。
1社あたりで見ると
この矛盾、割り算すると解けます。
12兆433億円 ÷ 1,130社 = 1社あたり約106億円。
2016年の2,492社で同じ売上を分けていたら、1社あたり約48億円。残った会社の取り分は、単純計算で倍以上になっています。
つまり「業界が縮んでいる」のではなく、「業界が集約されている」というのが正確な表現です。
ただし、中身は良くない
ここで安心してはいけません。売上の増え方に問題があります。
これまで扱ってきた数字を並べます。
| 指標 | 動き |
|---|---|
| 総売上高 | 増加(12兆433億円) |
| 4円パチンコのアウト | 3年連続で過去最低 |
| 平均玉単価 | 2025年7月に史上初の2円突破 |
| 遊技歴20年以上 | 50%以上 |
打ち込まれた玉は過去最低。それでも売上は増えている。
答えは単価です。同じ人数から、より短時間で、より多く取る構造に移行している。
先日、この構図を書いたときにも触れましたが、売上の回復は「客が長く楽しめるようになった」証拠ではありません。
ユーザーの反応
この連続閉店への反応を要約して紹介します。
- 「4桁台の店が消えるのは、さすがに規模が大きすぎる」という声(規模に驚く反応要約)
- 「同じグループで立て続けというのは、方針転換と見るべきだろう」という指摘(構造を読む反応要約)
- 「稼働の低さは前から言われていた。今さらという感じもある」という指摘(現場を知る反応要約)
- 「店が減っているのに売上が増えているのが理解できない」という指摘(矛盾を突く反応要約)
- 「近所の選択肢が減るだけ。打ち手には何の得もない」という声(実害を挙げる反応要約)
4つ目と5つ目、どちらも今日の主題です。
で、業界はどこへ行くのか
正直なところ、私にも分かりません。ただ、見えている方向はいくつかあります。
①集約は、まだ止まらない
帝国データバンクの調査では、赤字企業の54.7%が2期連続赤字とされています。そして2026年は6月までに倒産14件で、前年(年間16件)を上回るペースです。
次の脱落は、もう始まっています。
②残った店は、より大きくなる
1社あたり約5店舗、売上約106億円。残る会社は確実に強くなります。
先日書いたとおり、寡占が進めば競争圧力は下がり、調整は緩まない。打ち手にとっては、安定と引き換えに旨味が減っていく展開です。
③業態転換という出口
そして、キョーイチミナミが示した道。クレーンゲーム店への転換です。
立地も建物もノウハウも使え、年齢制限のハードルが下がり、機械代の負担構造も変わる。「畳む」のではなく「業態を変える」という選択肢が、明確に存在している。
ただし、こちらにも供給過多と取れやすさ競争という警告が出ています。パチンコが1990年代に通った道と、構造的に同型だという指摘です。
まとめ:それでも、今日も打ちに行く
9月23日、同じグループで2,444台が営業を終えます。3年前から「廃墟のようだ」と書かれていた店も、その一つです。
一方で、業界の総売上は2年連続で増加し、5年ぶりに12兆円を超えました。店は減り、会社は減り、それでも金は動いている。
この業界がどこへ向かうのか、正直まったく読めません。
ただ、こういう記事を書いた日でも、私は結局ホールに行きます。そして、たぶんジャグラーの島に座ります。
数えて、待って、ランプが光るのを見る。市場がどうなろうと、あの数分間だけは変わらないので。
近所の店が、来年もそこにあることを願っています。
※本記事は2026年9月13日時点の情報に基づきます。閉店・運営会社に関する記述は各種公開情報を参照しています。業界統計は帝国データバンクの調査を参照しています。投稿の内容および反応はSNS上の投稿を要約したもので、原文の引用ではありません。
パチンコ・パチスロは18歳になってから。適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。
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