公開日:2026年9月12日
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岐阜の全89店が災害時に施設を無償提供 こういう話こそ広まってほしい

9月11日、岐阜県庁で協定が結ばれました。正直、もっと知られていい話だと思います。

県内89店舗の施設を、災害時に無償提供

まず内容から。

岐阜県遊技業協同組合は9月11日、岐阜県および岐阜県警察との間で「災害時における施設使用等に関する協定」を締結しました。協定は、県内で災害が発生、または発生するおそれがある場合に、組合員等が管理する施設を、県や防災関係機関、県警の活動拠点および住民の一時避難場所として活用できるようにするものです。対象は原則として店舗の駐車場部分で、必要に応じて店舗部分などについても協議の上で使用します。

項目内容
締結日2026年9月11日
対象県内89のパチンコ・パチスロ店
提供内容駐車場等の施設を無償提供
用途県・県警の活動拠点、住民の一時避難場所
今後どの区画が使用できるかなど、具体的な運用協議を進める

特筆すべきは、ここです

この協定、組合の話だけで終わっていません。

組合員店舗だけでなく、組合に加入していない店舗を含む県内全店舗から賛同を得た、とされています。

県内の全パチンコ店。 組合に入っていない店まで含めて、足並みが揃った。これは簡単なことではありません。

先日、法人半減の記事を書きました。残っている店の経営体力も、方針もバラバラです。その中で全店舗が同意したというのは、相応の調整があったはずです。

なぜホールが災害時に役立つのか

行政側のコメントが、理由を端的に語っています。

県危機管理部の海蔵部長は「広い敷地や大きな建物を使えることは、災害対策に大きな力になる」、県警警備部の遠藤部長は「広い敷地を拠点にできた場合、救助活動の源になる。協定を機に連携を図っていきたい」とそれぞれ期待を示し、県遊協の沖理事長は「有事の際に、安心して対応できるように協力していきたい」と述べました。

条件が、実はかなり揃っている

言われてみれば、ホールは災害時に有利な条件を備えています。

要素災害時の価値
広い駐車場車両の集結、資機材の展開、ヘリの離着陸も想定できる
大きな建物多人数の収容が可能
幹線道路沿いの立地アクセスが良く、大型車両も入れる
空調・照明設備滞在環境を維持できる
清潔なトイレ以前も書きましたが、巡回頻度が高く維持されている

「広い駐車場を持つ大型施設が、幹線道路沿いに点在している」——これはインフラとして、かなり使い勝手がいいはずです。

先日、群馬のホールがソーラーカーポートを設置した件を書きました。蓄電と組み合わせれば非常用電源にもなり得るという話です。条件は、さらに整っていく方向にあります。

これは岐阜だけの話ではない

ここも押さえておきたいところです。この手の取り組み、全国で進んでいます。

ホール検索サイトには、「災害時対応店」という分類項目がすでに用意されています。仕組みとして定着しつつある、ということです。

そして直近でも、業界ニュースにはこうした話が並んでいました。

主体取り組み
佐賀県の組合2021年10月から「防災備蓄プロジェクト」を継続
宮崎の店舗遊技椅子の下に防災ヘルメットと備蓄水を設置
ダイナム北陸豪雨の被災地支援で28店舗に義援金受付を設置
群馬の店舗業界最大規模のソーラーカーポートを稼働

この1〜2か月で拾えたものだけで、これだけあります。

ユーザーの反応

この報道への反応を要約して紹介します。

  • 「広い駐車場と建物を無償提供というのは、実務として大きい」という声(実利を評価する反応要約)
  • 「組合非加入店まで全店が賛同したのは素直にすごい」という声(まとまりを評価する反応要約)
  • 「残っている店の社会的な役割として、こういう形は分かりやすい」という声(位置づけを評価する反応要約)
  • 「イメージ向上の狙いもあるはずで、手放しには受け取れない」という指摘(動機を問う反応要約)
  • 「こういうニュースこそ一般に報じられるべきなのに、広まらない」という指摘(報道を憂う反応要約)

5つ目。これが、今日いちばん書きたい部分です。

なぜ、この手の話は広まらないのか

先日、ダイナムの義援金について書いたときにも整理しました。報じられていないわけではありません。

今回も、業界紙は当然として、地元の放送局も報じています。県の公式サイトにも締結式の告知が出ていました。

問題は、そこから外に出ないことです。

内容報じられ方
ホールが災害時協定を締結業界紙と地元メディアのみ
ホールで事件が発生「パチンコ店で」という枕詞つきで全国報道

今月このサイトで扱った話題を振り返っても、介護職員の中抜け、代打ちの持ち逃げ、オンラインカジノ摘発、従業員への襲撃——こうした話は大きく報じられました。

一方で、89店舗が無償で施設を提供するという話は、業界の外にはほとんど届きません。

ニュースバリューの問題ではあるが

公平に書けば、これはメディアの悪意というよりニュースの選択基準でしょう。「協定を結んだ」は、それ自体では大きな見出しになりにくい。どの業界でも同じです。

ただ、この業種には固有の事情もあります。「パチンコ店」という単語自体が、見出しで機能してしまう。 良いニュースでは業種名が省かれ、悪いニュースでは強調される。その積み重ねが、世間のイメージを作ってきました。

先日、「パチンコ打ってる女とか嫌われそう」という投稿について書きました。好きなものを好きと言えない空気の背景には、こうした情報の非対称があります。

同じ週に、大型店の閉店も報じられた

そしてもう一つ、対比として書いておきたいことがあります。

ほぼ同じタイミングで、大阪ミナミの1,400台規模の大型店が9月23日で閉店し、クレーンゲーム専門店へ転換するというニュースが流れました。あちらは表示8万超と、かなり広く拡散しています。

閉店・業態転換災害時協定
内容店がなくなる店が地域に開かれる
拡散大きい小さい

縮小の話は伝わり、貢献の話は伝わらない。

ただ、この2つは矛盾していません。むしろ地続きです。 店が減っていくからこそ、残った店が地域でどう機能するかが問われている。今回の協定は、その一つの答え方だと思います。

実務として、まだ課題はある

最後に、冷静な視点も。協定を結んだだけでは、まだ動きません。

報道でも「今後、店舗のどの区画が使用できるかなど、具体的な運用の協議を進める」とされています。ここからが本番です。

今後の課題中身
使用区画の特定89店舗それぞれで、どこをどう使えるかの整理が必要
連絡体制発災時に誰がどう判断し、誰に伝えるか
営業との両立提供中の営業をどうするか。客の避難誘導との整理
従業員の安全提供する側の人の安全確保が前提になる

とくに最後。先日、豪雨で浸水したホールの件を書きました。 あの一件で見えたのは、災害時に従業員をどう守るかという課題でした。地域に施設を開く前提として、ここは避けて通れません。

まとめ

県内89店舗が、災害時に駐車場と建物を無償で提供する。組合に入っていない店まで含めて、全店舗が賛同した。

これは、素直に良いニュースだと思います。広い駐車場と大型建物が幹線道路沿いに点在しているという特性は、災害対策として明確な価値があります。

そして、こういう話ほど広まりません。それは分かっています。

だからこそ、業界の内側にいる人間が書き続けるしかないと思っています。今月、私はこのサイトで事件や不祥事の記事をいくつも書きました。だからこそ、こういう記事も同じ数だけ書くべきだと考えています。

岐阜の89店舗が、何事もなく平穏に営業を続けることを願っています。備えは、使われないのが一番いい。


※本記事は2026年9月12日時点の情報に基づきます。協定に関する記述は岐阜県・岐阜県遊技業協同組合の公表情報、各種報道を参照しています。投稿の内容および反応はSNS上の投稿を要約したもので、原文の引用ではありません。

パチンコ・パチスロは18歳になってから。適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。

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