公開日:2026年9月7日
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「パチンコ打ってる女とか嫌われそう」 好きと言えない趣味になった話

勝ち報告の投稿に、こんな前置きが添えられていました。

「パチンコ打ってる女とか嫌われそうなんで、投稿あんまりしてないだけなんですけどねっ」

リプ欄は祝福が中心で、場としては穏やかでした。それでも、この一文が引っかかって離れませんでした。

これは、女性だけの話ではない

最初に書いておきたいことがあります。

男性でも、人前で「パチンコが好き」とは言いづらくなりました。

いつからでしょうか。少なくとも、私が打ち始めた頃はそうではなかった。職場でも、飲み屋でも、普通に話題として出せていました。

今は違います。初対面や、まだ距離のある相手に言うと、あの反応が返ってくる。

「あっ」

一瞬の間。それから微妙に会話が組み立て直される。あれが何度か続くと、自然と言わなくなります。

結果として、こうなる

  • かなり親しくなってから、慎重に切り出す
  • 相手が先に言い出したときだけ、乗る
  • 趣味を聞かれたら、別のものを答える
  • SNSでは、そもそも投稿しない

好きなものを、好きと言えない。 冒頭の投稿は、それを女性の立場から書いたものですが、構造としては共通しています。

「嫌われそう」は、思い込みなのか

ここは公平に検証します。本当に嫌われているのか、それとも過剰な自意識なのか。

残念ながら、偏見が実在することを示すデータはあります。

制度の側から見ても、扱いは特殊

先日、生活保護とパチンコの記事を書いたときに触れた数字です。

厚労省の実態調査では、自治体による指導・助言のうちパチンコが79.4%を占めていました。競馬は7.8%、宝くじ・福引は4.3%です。

対象指導・助言の割合
パチンコ79.4%
競馬7.8%
宝くじ・福引4.3%

あの記事では「店舗が身近で目につきやすいから」という解釈を書きました。ただ、結果として「パチンコだけが特別に問題視される」という状況が生まれているのも事実です。

報道のされ方も非対称

先日、ダイナムの義援金について書いたときにも整理しました。

内容報じられ方
ホールが義援金を募集業界紙のみ
ホールで事件が発生「パチンコ店で」という枕詞つきで全国報道

良いニュースでは業種名が省かれ、悪いニュースでは強調される。 この積み重ねが、世間のイメージを形作ってきました。

つまり「嫌われそう」という感覚は、単なる自意識過剰ではありません。 それなりに根拠のある予測です。

ただし、実態とはズレている

一方で、実際に打っている人の像は、イメージとかなり違います。

日遊協のファンアンケート2025から、いくつか数字を拾います。

指標実態
1円パチンコの利用率28.6%(4円の21.5%を上回る)
1日の平均使用金額22,586円(3年連続増加から減少に転じた)
「1ヶ月に1回未満」の層11.7%(前年8.7%から上昇)
遊技歴20年以上50%以上

低貸しが多数派で、来店頻度の低いライト層が増えている。 「毎日通って大金を溶かす人」という像は、少なくとも多数派ではありません。

ところが、イメージの中の打ち手は今も昔のままです。 実態が変わっても、世間の認識は簡単には更新されない。

ユーザーの反応

この投稿への反応を要約して紹介します。

  • 「勝ったなら素直に喜べばいい。おめでとう」という声(祝福の反応要約)
  • 「気にせず投稿してほしい。同じように遠慮している人は多いはず」という声(後押しする反応要約)
  • 「男でも言いづらい趣味になった。性別の問題だけではない」という指摘(構造を広げる反応要約)
  • 「実際に偏見はあるので、遠慮する気持ちも分かる」という指摘(現実を認める反応要約)
  • 「隠さなければならない趣味という時点で、業界にとって深刻な話だ」という指摘(業界目線の反応要約)

5つ目。これは、業界にとって本当に重い指摘だと思います。

「言えない趣味」は、静かに死んでいく

ここが今日いちばん書きたい部分です。

先日、「辞めた人は戻らない」という調査について書きました。入り口(新規獲得)は競馬並みに健闘しているが、出口(離脱)で惨敗している——という分析です。

そのとき私は、自分自身も足が遠のいていることを書きました。怒っているわけではなく、ただ行く理由が薄くなった。

そこに「人に言えない」という要素が加わると、どうなるか。

言える趣味言えない趣味
誘い合える一人で行くしかない
話題として共有できる共有先がない
やめても再開しやすい離れると戻る接点が消える
新規が入ってくる誰も勧めない

とくに最後。 好きだと言えないということは、誰にも勧めないということです。

先日、「人生経験として行ってみたい」と言った人に、周囲が全員でやめとけと言う投稿を扱いました。あのとき私は「止める側も正しい」と書きました。実際、私自身も大切な人には止めると思います。

でも、その積み重ねが今の状況を作っています。誰も勧めず、誰も公言せず、静かに人が減っていく。

じゃあどうするか

大きな解決策はありません。ただ、いくつか思うことはあります。

①「言える相手」を大事にする

親しくなってからなら言える。それは裏を返せば、言える相手がいるということです。

ホールで顔を合わせる人、同じ台の話ができる人。そういう関係は、思っているより貴重かもしれません。

②遠慮せず、普通に投稿していい

今回の投稿へのリプが祝福で埋まったのは、偶然ではないと思います。同じように遠慮している人が、それだけ多いということです。

ネガティブな話題ばかりが流れる中で、「今日は勝った」という報告が普通に流れる状態のほうが、界隈としては健全でしょう。

③業界も、言い訳せずに発信する

先日、ホールの班長が「抽選は正規に行われている、これはファクトだ」と発信した件を扱いました。あのとき書いたことを、もう一度書きます。

届かないかもしれない。言い訳に聞こえるかもしれない。それでも、誰かが言い続けないと何も変わらない。

義援金も、防災設備も、地域貢献も、ほとんど報じられません。だからこそ、業界の中にいる人間が言い続けるしかないと思っています。

まとめ

「パチンコ打ってる女とか嫌われそう」。この遠慮が生まれること自体が、業界の現在地です。

そして繰り返しますが、これは女性だけの話ではありません。 男性も、いつの間にか言い出せなくなりました。「あっ」という反応を何度か味わえば、誰でも学習します。

好きなものを好きと言えない。 単純に、寂しい。

今日勝った人が、それを普通に報告できる。そのくらいの空気には、いつか戻ってほしいと思います。


※本記事は2026年9月7日時点の情報に基づきます。統計は厚生労働省の実態調査、日本遊技関連事業協会「ファンアンケート」等の公開情報を参照しています。投稿の内容および反応はSNS上の投稿を要約したもので、原文の引用ではありません。

パチンコ・パチスロは18歳になってから。適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。

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