公開日:2026年8月10日
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「金ない人ほどパチンコにハマる」は本当か 2つの調査が示す真逆の答え

Xで、なかなか鋭い疑問が投げかけられていました。ホールに行くと誰もが平気で何万円も使っていて、駐車場には高級車が停まっている。「実はみんな金持ちなんじゃないか」——確かに、言われてみると引っかかります。

「金ない人ほどハマる」は、本当なのか

投稿の趣旨はこうです。世間では「金がない人ほどパチンコにハマる」と言われるが、実際にホールで見る光景はそれと一致しない。

リプ欄では「金持ちも普通に打っている」「4円や20スロの島には借金持ちが多い印象」「高級車でも中身は火の車かもしれない」と、見事に意見が割れていました。

この疑問、実はデータで答えが出ます。しかも、真逆に見える2つの答えが。順に見ていきましょう。

答えその1:年収が高いほど、依存経験率は上がる

まず、一般の人を対象にした民間調査の結果です。

ある調査によると、ギャンブルに依存する人の年収は100万〜200万円が最も低く、そこから年収が上がるにつれて依存する確率も上がっていきます。軽い依存を含めると、年収600万〜1,000万円未満の層では32.0%、1,000万円以上では31.6%が、現在・過去を含めて依存した経験があると回答しました。

年収帯依存経験率(軽度含む)
100万〜200万円最も低い
600万〜1,000万円未満32.0%
1,000万円以上31.6%

およそ3人に1人。理由は身も蓋もありません。そもそもギャンブルに使える金がなければ、ハマりようがないからです。

投稿主の「実はみんな金持ちなんじゃないか」という直感は、この観点では当たっています。ホールで何万円も使っている人の多くは、それを使える経済状況にあるというだけの話です。

※なお、この数字はインターネット調査によるもので、学術的な疫学調査とは性質が異なります。傾向として読む程度に留めるのが適切です。

答えその2:支援を求めた人を見ると、景色が変わる

では「金がない人ほど」説は誤りなのか。ここで別のデータを見ます。

国の実態調査として行われた、久里浜医療センターによる調査です。依存の問題で公的相談機関(精神保健福祉センター・保健所)や自助グループを訪れた当事者を対象にした調査では、「生活保護の利用経験がある者」の割合が公的相談機関で男性21.1%・女性37.5%、自助グループ有志で男性13.6%・女性33.3%。「債務整理(自己破産・個人再生・任意整理等)の利用経験がある者」は公的相談機関で男性37.1%・女性55.6%、自助グループ有志で男性54.6%・女性33.3%でした。

支援を求めた層に限れば、経済的に困窮している割合はかなり高い。ここだけを見れば「金がない人がハマっている」ように見えます。

ただし、この調査には重要な但し書きがあります。配布した調査票の総数が把握できず回収率が不明であるため、サンプルの代表性に課題が残り、全国の傾向として一般化することはできないとされています。

2つの答えは矛盾していない

ここが本題です。この2つのデータは、別々のことを測っています

測っているもの見える答え
一般人口の調査ハマりやすさ金がある人ほどハマる
相談機関の調査ハマった後の被害の深刻さ金がない人ほど追い詰められる

つまり、こういうことです。

ハマるのは、金がある人。壊れるのは、金がない人。

年収1,000万円の人が月5万円使っても、生活は崩れません。同じ5万円を年収200万円の人が使えば、生活が傾きます。「ハマる確率」と「ハマった結果どうなるか」は、まったく別の問題なんです。

そして相談機関に行き着くのは、後者のほう。だから世間のイメージは「金がない人ほど」に寄ります。目立つのは、被害が表面化したケースだけだからです。

ホールで見える光景も、実は偏っている

もう一つ。投稿主が見ている「みんな何万も使っている」という光景そのものにも、バイアスがかかっています。

日遊協が公表した「パチンコ・パチスロファンアンケート2025」を見てください。

遊技レートでは、4円パチンコが21.5%(前年26.3%)、1円パチンコが28.6%(前年22.8%)と、昨年から逆転しました。一日の平均使用金額は22,586円で、3年連続の増加から減少に転じています。物価高による節約志向が反映されたとみられています。

指標2025年前年
4円パチンコ21.5%26.3%
1円パチンコ28.6%22.8%

今や1円パチンコのほうが多数派です。「何万も突っ込む人」は目に入りやすいだけで、実際には低レートで静かに遊んでいる人のほうが多い

さらに来店頻度では「ほぼ毎日」通うヘビーユーザーが21.8%と横ばいで推移する一方、「1ヶ月に1回未満」のライト層が11.7%(前年8.7%)へ上昇し、遊び方の二極化が進んでいます。

ホールにいる時間が長い人ほど、他人の目に触れる回数も多い。毎日いる2割の人が、来店客の印象を作っている構図です。

ユーザーの反応

この疑問への反応を要約して紹介します。

  • 「金持ちも普通に打っている。ある程度資産があると、欲しいのは金ではなく当たった瞬間の高揚感になる」という声(動機の違いを指摘する反応要約)
  • 「高級車に乗っているからといって、家計まで裕福とは限らない」という指摘(外見で判断できないという反応要約)
  • 「高レートの島には、借金を抱えている人も一定数いる印象がある」という指摘(現場感覚からの反応要約)
  • 「使っている金額ではなく、その人にとって痛いかどうかが問題だ」という声(本質を突く反応要約)
  • 「そもそも他人の財布を推測しても意味がない。自分の予算を守るだけ」という指摘(冷静な反応要約)

1つ目の「欲しいのは金ではなく高揚感」という指摘、これは調査結果と整合します。金銭的動機だけでは、高年収層の依存経験率の高さを説明できません

結論:見るべきは他人の財布ではない

長々とデータを並べましたが、実用的な結論はシンプルです。

ポイント中身
他人の投資額は参考にならない隣の人がいくら使えるかは、その人の経済状況次第。真似する理由がない
基準は「自分にとって痛いか」金額の絶対値ではなく、生活への影響で判断する
レートは自分で選べる1円パチンコが多数派の時代。無理に4円で戦う必要はない
予算は入店前に決める打ち始めてからでは、冷静に線を引けない

ホールにいると、周りの投資額が基準に見えてきます。でもあの人は、あなたと違う年収で、違う生活をしている。ただそれだけの話です。

まとめ

「金ない人ほどハマる」も「実は金持ちがやっている」も、どちらも部分的に正しい。見ているデータの母集団が違うだけでした。

ハマるのは金がある人。壊れるのは金がない人。この非対称が、この遊びの一番厄介なところだと思います。同じ行動をしても、結果の重さが人によってまったく違う。

だからこそ、他人を基準にしないこと。それが唯一の防御になります。


※本記事は2026年8月10日時点の公開情報に基づきます。年収別の依存経験率は民間企業のインターネット調査によるプレスリリース(マピオンニュース掲載)を参照しており、学術的な疫学調査とは性質が異なります。相談機関利用者の調査は久里浜医療センターによる「ギャンブル障害およびギャンブル関連問題の実態調査」(調査B・C結果概要/内閣官房掲載資料)を参照。同調査はサンプルの代表性に課題があると明記されています。遊技レート・使用金額・来店頻度は日遊協「パチンコ・パチスロファンアンケート2025」を報じたP-WORLDパチンコ業界ニュースを参照しています。ユーザーの反応はSNS上の投稿を要約したもので、原文の引用ではありません。

パチンコ・パチスロの遊技によるのめり込みでお困りの方、ご家族の方は、お住まいの地域の精神保健福祉センターにご相談ください。認定NPO法人リカバリーサポート・ネットワーク(RSN)でも無料の電話相談を実施しています。

パチンコ・パチスロは18歳になってから。適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。

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