公開日:2026年8月31日
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加熱式たばこプレイエリアが40%超 6年かけてこの数字をどう見るか

加熱式たばこプレイエリアの設置状況が更新されました。2026年8月時点で、全国の導入率が40%を超えたとのことです。

「もはや特別な設備ではなく、一般的な設備になりつつある」という位置づけで報じられています。

ただ、正直な感想を書きます。まだ4割か、というのが第一印象でした。

推移を並べてみる

この数字の受け止め方は、経緯を知っているかどうかで変わります。順に見ていきましょう。

出発点は法改正です。2020年4月1日より全面施行された改正健康増進法により、全国のパチンコホールは原則屋内禁煙となりました。

そこからの推移がこちらです。

時点導入店舗数導入率
2020年4月末79店舗
2020年末842店舗
2021年10月1,255店舗
2025年4月末1,937軒30.8%
2026年2月末2,248件36.7%
2026年8月末2,487件40%超

初年度の伸びが異常に速い。 79店舗から842店舗へ、わずか8か月で10倍になっています。

ところがその後は、明らかにペースが落ちています。増加数は2022年以降1年あたり200軒強で推移という分析があります。

「まだ4割」に見える理由

初動の勢いを知っていると、その後の伸びは緩やかに感じます。法改正から6年かけて4割。単純計算なら、全店舗に行き渡るまであと10年近くかかる計算です。

実は「分母の減少」も効いている

ここは少し意地の悪い見方をします。

導入率が上がる要因は2つあります。

  • 導入する店が増える(分子の増加)
  • 店舗そのものが減る(分母の減少)

そして今、後者が確実に効いています。全日遊連のデータでは営業店舗数は減少を続け、2025年は新規開店31店舗に対して廃業227店舗でした。

つまり導入率40%超という数字には、店舗数の減少による押し上げが含まれているということです。実数の増加ペース自体は、年200軒強で大きく変わっていません。

「一般的な設備になりつつある」という表現は正しい。ただし普及が加速しているわけではない。 ここは分けて見るべきだと思います。

なぜ一気に進まないのか

興味深い分析が出ています。需要がないから伸びないわけではないという見方です。

意外にもピークアウトを迎えず徐々にシェアを伸ばし続けている。メリット・デメリットの理解が進んだことも大きいが、設置業者のキャパシティの限界によって需要を刈り取りきれていない可能性は高いと指摘されています。

作りたい店はあるが、工事が追いつかない。 これが事実なら、需要と供給のミスマッチということになります。

加えて、ホール側の事情も重なります。

要因中身
設置費用島の改修や排気設備の工事が必要。安くはない
ホールの体力アウトは3年連続で過去最低。設備投資の余力が細っている
工事業者のキャパシティ受注が集中し、順番待ちが発生している可能性
非喫煙者への配慮導入エリアの比率をどう設計するかの判断が必要

地域差が、想像以上に激しい

全国平均だけ見ていると気づきませんが、都道府県別の差が極端です

7都県で導入率50%を超えており、最多の東京都は68.1%まで伸長。2位以降は関東近郊へ集中しています。ちなみに兵庫県は県条例の影響から加熱式エリアの設置がゼロのままとなっています(2025年4月末時点)。

地域状況
東京都68.1%(2025年4月末時点)
関東近郊上位を占める
兵庫県県条例の影響で設置ゼロ

兵庫県はゼロ。 これは需要や体力の問題ではなく、条例による制度的な違いです。

つまり全国平均の「40%」という数字は、68%の地域と0%の地域を混ぜた平均だということ。住んでいる場所によって、体感はまったく違うはずです。

なお2026年2月時点の集計では、栃木県が導入率1位になったとされています。順位にも動きがあるようです。

ユーザーの反応

この話題への反応を要約して紹介します。

  • 「離席せずに打てるのは快適。もっと増えてほしい」という声(利便性を評価する反応要約)
  • 「喫煙所への往復がなくなるだけで、遊技のテンポがまるで違う」という声(体験面を挙げる反応要約)
  • 「せっかく禁煙化が進んだのに、これでは意味がないという意見もある」という指摘(禁煙化の観点からの反応要約)
  • 「加熱式でも受動喫煙のリスクはある。エリア分けの設計次第では問題が残る」という指摘(健康面を挙げる反応要約)
  • 「地域によって設置状況が違いすぎる。全国平均の数字はあまり意味がない」という指摘(地域差を挙げる反応要約)

4つ目、これは無視できない指摘です。

「加熱式だから安全」とは言い切れない

公平を期すために、この点にも触れておきます。

有害性が低いとされている加熱式たばこですが、ある研究では、受動喫煙を受けた人の総ニコチン代謝物は紙巻きたばこ・加熱式たばこ・併用でそれほど大きな違いがなく、発がん性物質の曝露量については加熱式たばこの受動喫煙者のほうが紙巻きより多いという結果が出ています。

とある研究の結果なのでこれが全てではないものの、諸手を挙げて安全とは言えないのかもしれないという留保も添えられています。

エリアを分ければ完全に解決、という話ではない。 導入率を評価するときには、この視点も併せて持っておくべきだと思います。

稼働への影響という現場論

最後に、打ち手と店側の双方に関わる話を。

離席しないで済むことは、稼働に直結します。

  • 喫煙所への往復で、1回あたり数分は席を離れる
  • その間、台は止まっている
  • 混雑時は、離席そのものが台を失うリスクになる
  • 結果として、滞在時間と回転数の両方に影響する

店側にとっては、稼働時間の目減りを防げる設備という位置づけになります。設置費用をかける理由は、快適性だけではありません。

一方で打ち手側は、非喫煙者にとっての快適性も考える必要があります。以前、ホールのマナーについて書いたときに「快適さの最後の一枚は、そこにいる人が作っている」と書きました。エリアの設計と運用が雑なら、結局どちらも不満が残ります。

まとめ

導入率40%超。「もう4割」と見るか「まだ4割」と見るかで、この数字の印象は変わります。

私は後者でした。法改正から6年で4割、しかも実数の伸びは年200軒程度。 分母が減っていることを考えると、実質的な普及はもう少し緩やかです。

そして東京68%、兵庫0%という差を見ると、全国平均という数字自体があまり意味を持たないのかもしれません。自分の行動範囲の状況を確認するほうが、よほど実用的です。

喫煙する人もしない人も、快適に打てる環境が増えること自体は歓迎したいところ。あとは設計と運用の問題です。


※本記事は2026年8月31日時点の情報に基づきます。加熱式たばこプレイエリアの設置状況・推移は「パチンコ・パチスロ情報島+」の集計・報道を参照しています。受動喫煙に関する記述は各種研究の報告を参照した一般的な傾向であり、個別の健康影響を断定するものではありません。

パチンコ・パチスロは18歳になってから。適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。

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