ダイナムが北陸豪雨で義援金受付 報じられない業界の支援活動を数えてみた
業界ニュースを追っていると、定期的にこの手の記事が流れてきます。そして、ほぼ確実に一般には届きません。
北陸28店舗で、玉・メダルによる義援金受付
まず内容から。
ダイナムは8月29日から、石川県と富山県で発生した豪雨災害の被災者支援を目的に、北陸エリアの店舗で募玉・募メダルによる義援金の受付を開始します。対象店舗は石川県、富山県、福井県の28店舗です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開始 | 2026年8月29日 |
| 対象 | 石川・富山・福井の28店舗 |
| 方法 | 店舗での玉・メダルによる受付 |
| 寄付先 | 被災地域の自治体等 |
「玉・メダルによる受付」という仕組みが、実はよくできている
ここ、地味ですが感心するポイントです。
過去の同種の取り組みでも、現金による受付は行わず、来店客から玉・メダルを受け付けてその相当額を寄付するという形式が採られています。
これ、打ち手にとって参加のハードルが極めて低いんです。
- 景品交換で必ず出る端数の玉・メダルを回せる
- 財布を出す必要がない
- その場で完結する
- 勝った日なら、心理的にもハードルが下がる
「余ったから」で参加できる募金。 現金を募るより、はるかに集まりやすい設計だと思います。ホールという場所の特性を、うまく使っています。
これは、初めてでも珍しくもない
ここからが本題です。この手の活動、ダイナムだけを見ても常態化しています。
直近の例を挙げると、7月28日に発生した令和8年熊本地震を受け、7月30日から9月30日まで九州7県の63店舗で義援金の募集を開始しています。
しかも見逃せないのが、この点です。同社は安全確保のため、熊本県内の4店舗の営業を一時休止しており、その後、安全確認が取れた店舗から順次営業を再開しています。
自社も被災していながら、募金活動を始めている。 これはもう少し知られていい話だと思います。
さらに遡ると、2024年8月には、令和6年7月大雨災害の被災地支援として、東北6県の68店舗で玉・メダルによる義援金を募集し、秋田県と山形県へ全額を寄付しています。
この1〜2か月だけでも、これだけある
ダイナム以外にも目を向けると、業界のCSR活動は想像以上に多い。直近の業界ニュースから拾えるものだけでも、これだけ並びます。
| 主体 | 活動 |
|---|---|
| 佐賀県の組合 | 8月18日に熊本県八代市で被災地支援活動を実施。2021年10月から「防災備蓄プロジェクト」に取り組む |
| 埼玉県遊協 | 8月24日、さいたま市の児童養護施設で「子ども書道・墨絵教室」を開催 |
| サミー | 8月17日から23日まで、東京・板橋区の商店街のサマーセールとコラボイベントを実施 |
| 全商協 | 協賛する認定NPO法人が7月26日に子ども虐待防止の啓発活動を実施 |
| 延田グループ | ひとり親家庭の大学生を対象とした返済不要の給付型奨学金プロジェクトを始動 |
災害支援、防災備蓄、児童養護施設への訪問、商店街との連携、給付型奨学金。
これ、2か月足らずの範囲で拾えた分だけです。年間を通せば相当な数になります。
ユーザーの反応
この手のニュースへの反応を要約して紹介します。
- 「端玉を寄付に回せるのは合理的。参加しやすい仕組みだと思う」という声(仕組みを評価する反応要約)
- 「自社も被災しながら募金を始めている点は素直に評価したい」という声(姿勢を評価する反応要約)
- 「こうした活動が一般に報じられることはほとんどない」という指摘(報道の偏りを挙げる反応要約)
- 「イメージ向上のための施策という側面もあるはずで、手放しでは称賛できない」という指摘(動機を問う反応要約)
- 「善行の宣伝より、日々の営業内容で評価されるべきでは」という指摘(本業を問う反応要約)
4つ目と5つ目のような見方も当然あります。企業のCSRに広報的な意図が含まれるのは、どの業界でも同じです。ただ、それを理由に活動そのものを否定するなら、あらゆる企業の社会貢献が成立しなくなります。
なぜ報じられないのか
ここが今日いちばん書きたい部分です。
まず正確に言うと、報じられていないわけではありません。 業界紙は普通に扱っています。遊技通信、グリーンベルト、アミューズメントジャパン、P-WORLD。今回の件も、複数のメディアが記事にしています。
問題は、そこから外に出ないことです。
ニュースの非対称性
比較すると、構造がはっきりします。
| 内容 | 報じられ方 |
|---|---|
| ホールが義援金を募集 | 業界紙のみ。一般紙・テレビはほぼ扱わない |
| ホールで事件が発生 | 「パチンコ店で」という枕詞つきで全国報道 |
これは私自身が実感していることです。今月このサイトで扱った話題を振り返ると、放火事件の死刑執行、あおり運転、介護職員の中抜け、店舗の浸水、従業員への襲撃。 どれも一般メディアで大きく報じられました。
一方で、義援金の話は業界紙にしか載りません。
これはメディアの悪意というより、ニュースバリューの判断でしょう。「企業が募金を始めた」は、それ自体では大きなニュースになりにくい。事件のほうが読まれる。それはどの業界でも同じです。
ただし、パチンコには特有の事情もある
そのうえで、この業態には固有の要素があると思います。
- 「パチンコ店」という単語自体が、記事の見出しで機能してしまう
- 良いニュースだと業種名が省かれ、悪いニュースだと強調されやすい
- 結果として、露出するのは負の側面ばかりになる
先日、浸水したホールの動画が拡散したときにも書きましたが、「パチンコ」という単語が入ると思考が反射になるという現象があります。良い話でも悪い話でも、同じ反射が起きる。ただし方向が違うだけです。
だからどうするか
愚痴で終わらせても意味がないので、実際的な話をします。
報道されないことを嘆いても、状況は変わりません。 できることは2つだと思います。
| できること | 理由 |
|---|---|
| 知った人が伝える | 業界紙の記事は誰でも読める。共有するだけで届く範囲は広がる |
| 実際に参加する | 端玉を寄付するだけ。数十秒で済む |
とくに2つ目。玉・メダルによる受付なら、財布を出す必要すらありません。 対象店舗を利用している方は、帰りに寄ってみてください。
まとめ
石川・富山の豪雨被害に対して、北陸28店舗で義援金の受付が始まります。自社が被災した地域でも、同じことをしてきた会社です。
こうした活動は、たぶん今後も大きく報じられないでしょう。それ自体は、ある程度どうしようもない。
ただ、業界の中にいる人間としては、事件の記事だけが業界の顔になるのは違うと言い続けたいと思っています。今月、私はこのサイトで負のニュースをいくつも扱いました。だからこそ、こういう記事も同じ数だけ書くべきだと考えています。
端玉が余ったら、寄付箱へ。それだけで参加できる話です。
※本記事は2026年8月28日時点の公開情報に基づきます。ダイナムおよび各社の取り組みに関する記述は各種業界メディアの報道を参照しています。
パチンコ・パチスロは18歳になってから。適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。